リカンベント乗りの整備知識について
リカンベントはアップライト(=縦位置で乗る=通常姿勢の)な自転車に乗るのと違い、整備技術がある程度あったほうが何かと便利だったりします。
・・・ということを実感しています。
ベントライダーになってまだ2年弱ですが、記憶の新しいうちに、整備知識についてどんな点で困り、何を学び、何が今後の課題かという点を書き残しておこうと思います。
私とリカンベントの最初の出会いは、パーツを個人輸入し、自分でアセンブルするところから始まりました。
今思うと、無謀なことをしたと思います。
それ以前の私は、自転車にミシンオイルをさしてしまうことがあるほど、整備に無頓着だったのですから。。
逆に言えば、そんな素人でも、インターネットと、ある書籍のお陰で自転車が組めてしまうんです。
最初につまづいたこと
まず、自転車の各部の名前や、どのようなパーツから構成されているのかがわからず困ってしまいました。
何をオーダーすればよいのかがわからないからです。
これは、自転車にのっていてどこかが壊れた時にも当てはまります。その壊れた箇所がどこかがわかればネット検索して原因を究明しやすいですし、必要パーツの購入時にも役立ちます。
自転車各部の名称を知る目的で、一番役に立ったのはこの本です。
各部の名前、各部の取り外し方と取り付け方、その際に必要な工具
これらが非常にコンパクトかつ分かりやすくまとめて解説されているので、今のところこの一冊があれば、困った際でもこの本を起点として、より深い情報はネットで検索することでまかなえています。
実際の整備にあたって
各部の名称がわかると、今度は実際に自分で自転車を組んだり、整備したりするフェーズに入ることができます。
整備するには、まずは工具が必要となってきます。
自転車の工具は、通常の日曜大工レベルの工具に加え、自転車専用の工具も必要になってきます。
私は『パークツールのAK-37』という工具セットを購入しました。
ブログ記事冒頭の写真のものです。(いまは、AK-38 と進化しているようです)
通常工具は以前からもっていたものでまかないました。
ちなみに、必要なのは大抵ペンチやスパナ類です。ノギスもあるととても便利です。
一筋縄ではいかない整備
必要情報がつまった書籍、通常工具+自転車専用工具が揃ったので完璧!
と思っていると、自転車のパーツってバリエーションがあるんですよね。。
自転車のホイールの中心にある「ハブ」ひとつとっても種類があったり、必要なケーブルやネジの長さなどがロードとリカンベントでは違っていたり、このバリエーション故に、整備の度にどうしていいのかわからなくなることも多々ありました。
そこで活躍するのが Google 検索です。
Google 先生に教えていただくことで、バリエーションへの対応方法をつかめました。
例え、自分と全く同じメーカー・型番のパーツでなくとも、手元には工具があるので少しずつ分解しながら、「あ!これは自分のと同じ構造のパーツを持っている人の記事だ」という発見をすることで、自信をもってその先に進むことができます。
整備知識を得るのに、英語力があると便利かと思いきや、私が参考にさせていただいたのはほとんど日本人の記事や情報でした。
英語圏の人達は図解したり写真などでビジュアルに表現する傾向が低く、文字だけで表現することが多い反面、日本人の発信する情報は写真や写真に加工してまで説明しようとするサービス精神のお陰で、とてもわかり易いのです。
あと、ちゃんとリンクもこまめに張ってあったりするし。
唯一、英語やフランス語・ドイツ語などが堪能だと便利なんだろうなと思ったのは、YouTube動画からの知識です。
普段文字で表現するのが得意な欧米人は、言葉で表現するのも得意で、どこにも載っていなかった情報を動画の中ではさらりと言っていたり・・・。特に新製品に関する情報収拾の際にはメーカーの人の動画や、イベントの速報動画が重要な情報源になったりします。
英語ではそこそこ情報収拾ができたので、こう思ったのですが、ドイツ語やフランス語なども理解できればもっと情報が入ってくるのになぁ・・・と妄想します。
特にあると便利な整備知識
リカンベントもアップライト自転車と同じく
- チェーンや駆動系のメンテ知識
- ホイールのメンテ知識
があると、いつでも気持ち良い状態に自転車を保つことができると感じます。
ただ、リカならではの知識として・・
- カスタマイズ&自作する知識と技術
というのが加わってくるとも思います。
例えばリカンベントでは「どこにもボトルゲージを付ける穴がない」ということは普通なことだったりします。
ライトの取り付け箇所すらなかったり、あっても自分が思うものじゃなかったり。。
そんな時に、ニッチな自転車グッズを探したり、自転車用じゃないアイテムを活用したり、時には自作したり、プロに依頼して金属加工してもらう・・など、先人のベントライダーの方々は工夫をされているようです。
この、カスタマイズ知識は私がまだ未発達な部分で、これまでボトルゲージ、ライト、バッグの取り付けについて試行錯誤してきてそれなりに工夫できましたが、今はシートの改造をどうしようかと私案しているところです。
ベーシックな整備知識について
上で書いた
- チェーンや駆動系のメンテ知識
- ホイールのメンテ知識
について。
これらは、購入元の自転車屋さんに持ち込めば有償・時には無償でやってもらえますが、リカンベントだと自作していたり、遠方の専門店で購入していたりして、近くの自転車屋さんでは相談しずらかったりしがちです。
そんな背景もあり、自分でメンテができると、リカンベントを常にベストコンディションに保つことができます。
チェーンや駆動系のメンテというのは、具体的には
- チェーンや各可動部への注油
最初、下記のYouTube動画がとっかかりとなりました。
そのうち、下記のページのように一コマひとコマ注油するようになりました
http://www.cb-asahi.co.jp/html/mente-oil.html
そうなってくると、どんなオイルを使うかが気になってきて、いろいろ調べて試してみるのが愉しみになりました。
- ディレイラーの調整
乗っていると、そのうち変速が上手く決まらなくなってきます。
自転車屋さんに毎回持ち込んで見てもらいつつ、次回購入時に気前よく買うのも良いと思いますが、自分でも知識があると、実際に乗り心地を確認しながらベストコンディションに追い込んでいくことができます。
調整方法は『誰でもできる自転車メンテナンス』に載っているのですぐわかりました。
あと、自分で自転車を組んでみると、パーツの取説にもいくつか情報が書かれていたりもします。
そして、ホイールのメンテ知識というのは
- タイヤ交換
私は親から教わったり、自転車屋さんでボーっと整備風景を何度か観察したりして学びました。
ときどき、自転車屋さんがタイヤ交換教室を実施されていたり、自転車購入時に教えてと言えば教えてくれる親切な自転車屋さんがあるので、ちゃんと教えてくれるかどうかを基準に付き合う自転車屋さんを選ぶのもありかと思います。
タイヤ交換といっても、昔ながらのチューブラーというリムセメントを使ってリムとタイヤを接着させるものや、普通のクリンチャー タイプ、チューブは無いけどセメントを使う必要もないチューブレスなど、種類があるのでそれ毎にタイヤ交換の知識は異なります。
最初はクリンチャーなホイールから入れば無難かと思います。
その後、クリンチャーで自分に合うホイールを探すのか、軽さと急激なパンクが起こりにくいチューブレスに行くのか、決戦用としてチューブラーで勝負するのかなど、好みに合わせて変えていくとかが良い気が・・ - ホイールの振れとり
長距離を乗りたいのであれば、振れとりも自分で行えるようになった方が絶対に便利だと思いました。
ただ、この重要性に気づいたのはここ1年ほどです・・
それまでは、相当振れがあっても力にまかせて走ることができ、年に1度程度自転車屋さんで直してもらえばOKだったので。
振れがあると、エネルギー効率が悪くなって長距離走行時に響いてくるだけではなく、事故にもつながりかねないので、自分で調整できるというのはメリットです。 - ホイールのバランスとり
以前書いたこの記事で、ホイールのバランスをとることの重要さを実感しました。
自転車屋さんの中には、バランス取りを実費でやってもらえるところがあるので、最初は私もプロに頼もうと思っていたのですが、結構費用がかかるんですよね。
自分でオモリ(上記リンク先の記事参照)を買いさいえすれば、自力でバランス取りできてしまいます。
プロに頼めば、厳密にバランスをとってもらえるのかもしれませんが、私が計算した範囲では1gや2g程度のアンバランスは走行に影響しないと考えるに至りました。
また、1gのアンバランスだったら自分でも十分に気づくことが可能なので、個人でバランスとりをしても1g未満の誤差でバランス調整はできてしまうんですよね。
つらつらと長くなってしまいました。
いま記憶にあるのはこんなところです。