HP Velotechnik Scorpion fs 26 レビュー (1/3)
HPV の Scorpion fs 26 がやってきました。
いきなり都内はちょっと怖かったので、滋賀の長浜近辺を走ってみました。
今日が事実上の初乗りといえるので、初乗り時・慣れてから・細身のタイヤに換装後の3回にわけてレビューを書いてみたいと思います。
■ 乗り心地 ■
これまで、サスなしのハイレーサーなリカンベントに乗っていましたが、特に振動に関して問題視したことはありませんでした。ただ、自転車走行可能な歩道の入り口にあるごく僅かな高さの縁石の上を通る際なんかにはかなり体と足の準備をしておかないとショックが大きいという経験はしています。特に曲がりながら歩道に入って行かないといけないときなんかは自転車が(低い縁石超える時に若干ジャンプした際に)横滑りしたりするので、相当速度を落として通っていたりしました。
それが不便かというと、サスなしハイレーサーにしか乗っていないのでいたって当たり前に乗っていましたし、不便ではありませんでしたが。。
Scorpion fs 26 では、その名の通り full suspension 仕様なので、2つの前輪と後輪の3箇所にサスが入っています。
その効果は体感できるレベルで、自転車走行可能な歩道に入るときでも、上下するのは感じるもののショックは大したことがないので気にせず行けます。ママチャリ並な気の使わなさでどんな道でも乗れるのが良いと思いました。
あとはトライク (3輪) なので転倒しないということ。
スリップしての転倒や、超低速走行時の転倒の心配がまず無いというのは、こんなに乗り心地の良さにつながるんですね。
ハイレーサーのリカンベントに乗っている時も、乗っているだけで大きな楽しさを感じましたが、どうしても転倒しないようにだけは注意を払う必要がありました。そういう意味ではトライクはリカンベントの楽しさを最大限に感じ取れるという点で秀でていると感じます。
また、急カーブでは相当なGを感じます。
ロードや2輪リカンベントでは描くことができない急ハンドルなライン取りもできてしまうトライクは、まるでゴーカートにのっているような楽しさがあります。
一点、急なカーブでは体を適切にカーブの内側に倒して行かないと、トライクといえども転倒するそうなので、そこは体に覚えこませておく必要がありそうです。
■ スピード ■
遅いです。。でも敢えてゆっくり走りたくなる乗り物という側面もあります。
私の脚力では、ロードやハイレーサーのリカで30km/h前後での巡航が通常なのですが、トライクでは20km/h弱での巡航になっています。
ただ、10km/hも巡航速度に差があるにはわけがあります。
トライクでそんなにゆっくり走っているのは、ゆっくり走っても楽しいから。
私はローレーサーに乗ったことがないので、ロードやハイレーサーとの比較なのですが、車高の低いトライクでは体感速度が相対的に速く感じます。
あと、転倒しないので、まるでランニングでもしているかのような感覚で景色を楽しみながら走りたくなるんです。
景色や空が綺麗なところでは、10km/h 前後という低速巡航であっても、転倒することなく安全に走りつつ景観を楽しめるのは最高です。
ずっと、30km/h程度の速度がないと自転車は楽しめないと思っていた私が、意図的にゆっくり走るようになったので、自分でも不思議です。
純粋に比較するとすると。。
もしハイレーサーと同じくらいのパワーでペダリングするなら、25km/h 弱くらいのスピードがでるので、実際の差は 5-7km/h くらいかと思います。
また、その速度差の半分はタイヤの差だとも考えています。あとの半分は、3輪あることによる摩擦力や空気抵抗の差かとも。
ハイレーサーでいくつか幅の違うタイヤを履いてみて、タイヤの摩擦抵抗は巡航速度に大きな影響がでることを体感しているので、恐らく、トライクでも 23mm 幅のタイヤを履けば、体感するくらいの速度変化が愉しめるかとも思います。
■ 取り回し ■
ごついです。
ドイツ車って感じです(笑)。
折りたたんでも大きく、新幹線の乗車口の幅ギリギリな感じですが、簡単に折りたため、車輪だけを出したまま袋にいれれば押したり引いたりも楽なので、あの大きな車体のトライクがここまで気軽に輪行できるというのは嬉しいです。
■ その他 ■
徐行はもちろん、気になった場所で直ぐ停車し、トライクに乗ったまま景色を愉しめるのは最高ですね。
これが出来るんですよね〜、トライクは。
この動画を見てトライクを買おうと思ったんです(^^;
■ 総合的な感想 ■
乗っているだけで楽しくなる乗り物って、ひとそれぞれあると思うのですが、私にとってのそれがリカンベント トライクでした。
最悪駐輪できなくても屋内まで持ち込める折りたたみ小径車、手軽&軽快に乗れるロード、長距離を速く移動できるリカンベント ハイレーサー、乗ること自体を楽しめるリカンベント トライクという乗り分けで、今後も自転車を楽しみたいです。
というわけで、初日の Scorpion fs 26 ライドの感想としては大満足というところです。
(つづく)